2017/02/08当時:10,000VND(ベトナムドン)=約50円。
今日はいつもより早めの9時にチェックアウト。そのままフロントでバイクを借りて、荷物を預かってもらう。
オーナーのおじさんが地図を指しながら、バンメトート郊外の見どころを教えてくれた。
「バイクで観光するなら、ダライヌアの滝がおすすめだよ。そのまま進むと、ダムもあるんだ」
「コーヒー畑も見たいんですけど、どのへんにありすか?」
「滝までの道のそこらじゅうにあるよ! そういえば、今日のホイアン行きのバス会社はどこ? ここにピックアップは来るの?」
「MAI VYって会社です。ピックアップはないから、帰ったらバス停まで行こうと思って」
「ああ、そこね! うちの近くのオフィスまでピックアップに来るよう手配するから、そっちのオフィスに行きなさい。歩いてすぐだよ」
「ありがとうございます!」
「行ってらっしゃい!」
ベトナムでのバイクは初めてだけど、バンメトートは少し田舎で交通量が少ない。ホーチミンの激流を見た後だけに安心。
すぐに市街地を抜けて、大きな一本道に出た。ひたすらまっすぐ走り、30分くらいで脇にそれて山に入る。
あったかくて、いい天気。最高のツーリング日和。
そろそろ滝に着くかな~というところで、なんだかいい香りがするような…。
つけていたマスクを取ると、やっぱり甘い花のような香りが漂っている。
まさかと思って周りを見渡すと、見つけた!
「あれ! コーヒーの花じゃない!?」
「あっ。たぶん…そうかも!」
本当に、道の右にも左にも、畑がそこらじゅうにある!
気分が良くなる程度になんとなくいい香りだったのが、気づくと甘い香りで胸がいっぱいになっていた。これがコーヒーの花の香り。
やっと見つけたというのと、本当にあったんだという驚きと、想像以上のいい香りにものすごく興奮して、あんまり覚えてないけど1人でフガフガ言っていたと思う。
場所は特定したので、コーヒーの花は最後のお楽しみにとっておいて、まずは滝に向かって進み続けた。
コーヒーの花発見で今日のピークが終わったかと思いきや、ダライヌアの滝もかなりの見応えだった。
あとで調べたところ、ベトナム最大級の滝だそうな。
バンメトートにそんな隠し玉があったとは…。
滝で盛り上がった勢いのまま、さらに奥にあるダムへ向かう。
そしてダムというか、それっぽいところというか、なんというか行き止まりに辿り着いた。
ダム(?)も見たので、来た道を戻ってさっきのコーヒー畑へ!
いよいよご対面!
ジャスミンが上品で艶のある甘さだとしたら、コーヒーは無邪気で素朴な甘さがある。
あっちから駆け寄ってきたと思ったら、いつの間にかこっちが夢中になっているような。15歳の少女のような。
とにかく何かに例えたくなるほど甘い空気を胸いっぱいに吸い込んで、名残惜しいけどコーヒー畑を後にした。
山を出るまで道が香りに包まれて、バイクで走るだけで幸せ。
よほどニヤニヤしていたのか、とおるさんが何度も「見に来れてよかったね」と言ってくれた。
バンメトートに来てよかった!