ベトナム:コーヒーの町バンメトート

2017/02/07当時:10,000VND(ベトナムドン)=約50円。

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道を歩けばカフェに当たる町
バンメトートは、ベトナムの中でもコーヒーで有名な町。
そんなバンメトートに何をしにきたかと言うと、ただひとつ、コーヒーの花の香りを嗅ぎにきた。
東南アジア旅行の参考に読んでいた”「裏国境」突破 東南アジア一周大作戦”という本の中で書かれていた、ジャスミンより甘く、ユリより軽いというコーヒーの花の香りをどうしても体感したかったからだ。

今は運良く、花をつける12月~3月の真っただ中。コーヒー畑にたどり着ければ、きっと花に出会えると思った。
でも、コーヒー畑はどこに、どんな風にあるんだろう?
ネットでは「ツアーで訪れた」という記事がほとんどで、これぞという場所の情報が見つからなかった。

仕方がないので、今日はとりあえずTrung Nguyenという大きなコーヒー会社が運営するLang Cafeという施設に行くことにした。
そこにはカフェの他に、コーヒー機材博物館やコーヒーの木があるらしい。
宿からLang Cafeまで徒歩30分ほど。散歩がてらゆっくり歩いて向かった。

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大きなカフェ
さすがコーヒーの町だけあって、連なるようにカフェが開いている。
ホーチミンと比べると露天カフェが少なく、立派な店構えのものが多い。

途中、おいしそうな写真に惹かれてお粥の店に入った。
iPhone - 414iPhone - 415“ga”が鶏ということを覚えたので、”Chao ga ac”というメニューを頼んでみた。とおるさんは謎のメニュー。
メニュー表には、お母さんが子供にごはんを食べさせる写真が載っている。赤ちゃんでも食べられるということだろうか。

そしてやってきたお粥はこちら。
iPhone - 417ここで、ふと気付いてしまった。もしかして、離乳食の店なのでは…?
皿はお子様用のドナルドだし、具材は完全にペースト状だ。飲めるくらいだ。

顔面グチョドロで、食欲の失せるドナルドに耐えながらひとくち。
味は鶏じゃなくて鮭。とおるさんも全く同じ味。
同じメニューを頼んだら違うもの、違うメニューを頼んだら同じものが出てくる。それがベトナムなのか。
完食したけど満たされないお腹で店を出た。

Lang Cafeがあると思っていた場所になかったので、Wi-Fiをゲットして調べるために適当なカフェに入る。

iPhone - 473iPhone - 430そして、そのまま1時間が経過した…。
目的の場所はとっくに調べ終わっている。
でも、このバンメトートという町はなんだかのんびりした空気を持っていて、さらにそのカフェとなると居心地がよすぎて立ち上がるのも億劫になるのだ。

このままではいかんとやっと腰を上げて、一気にLang Cafe到着。
そこは我が社の実力を思い知れといわんばかりの、究極にのんびりしたところだった。

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入り口のモニュメント
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自然いっぱいの敷地内
敷地内は風鈴や樹木がおしゃれに配置され、池あり橋ありのテーマパークな雰囲気。
奥の博物館にはアンティークな機材が並べられ、客は片手で数えるほど。スタッフものんびり携帯を眺めるだけで客には無関心。

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開放的な博物館
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説明のない謎の機械と朽ちた人形が置いてある空間だった

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立派な物販コーナー
物販コーナーも見事に並んだ商品のそばには誰もおらず、店の一番奥で女性が1人ぼんやり。
そのわりに清掃スタッフは多く、トイレはこれまでベトナムで見た中で一番きれいだった。
さては大人数のツアー客が来たときだけ本気出すつもりだな。

お目当てのコーヒーの木はいくつか植えてあったものの、花は散る寸前のものが少し。香りは全くしなかった。

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コーヒーの実がなってる!
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花もある! けど香りはなし
足を休めたくなってカフェに向かうと、さっき休憩したカフェの3倍はありそうな大きな店舗が、なんと3つもある。つまりさっきのカフェ9つ分。
しかも各店舗はそれぞれ違う趣があって、ベトナムらしい低い椅子やテーブルの店、ソファ中心で体が沈みそうな店、池のほとりのオープンテラスな店と、全力で迷わせてくる。

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立派なカフェ
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民家風なカフェ
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オープンなカフェ
オープンテラスの店を選んで、庭を眺めながらメニューを開く。なんとも贅沢な気分になる。
私はコーヒーゼリーを、とおるさんはロクラクを注文した。カンボジアで大変お世話になったロクラク、ベトナムにもあるのか。

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コーヒーゼリー
コーヒーゼリーはしっかり噛めるタイプで、ベトナムコーヒーらしい香りと苦味がそのまま固まっている。そこに甘ーいミルクを合わせて、いつものコーヒーの味。
ロクラクは、デミグラス風のカンボジアに対して、酢豚のようなトマトの酸味と爽やかさがあった。

グラスが空になってもダラダラとネットサーフィンしていると、ジャコウネコのコーヒーのことを思い出した。
ジャコウネココーヒーは、ジャコウネコが食べたコーヒー豆を未消化のまま排泄したフンから作られたコーヒーだ。ジャコウネコの体内で発酵して、特徴的な香りがつくらしい。
インドネシアではコピ・ルアクという名前で、世界一高級なコーヒー、コーヒーの王様とも言われる。英語ではWeasel Coffeeとのこと。
生産方法が特殊で希少だから高級なのは分かるけど、一体どんな味なのか。
昔、はじめてそのコーヒーについて知ったときから気になっていた。

バンメトートあたりでも生産してるらしいけど、どこで飲めるんだろう…。
Trung Nguyen社のサイトで調べたところ、”Legendee”という名前の商品にWeaselという文字が…。
今いるカフェのメニューを見ると、あった! お値段1杯150,000ドン(約750円)。

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伝説とな…
ネットでは1杯数千円という文字が踊っていたので、思っていたよりはずっと安い。これなら飲める。すぐに注文した。

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Legendeeさんうやうやしい
Legendeeは、専用の金属フィルターに入って運ばれてきた。
3分ほどしてフタを開けると、香ばしくて落ち着くコーヒーのいい香り。
コーヒーから連想する”いい香り”をそのまま強めた感じ。

まずはコンデンスミルクと混ざらないよう、コーヒーだけ飲んでみると、濃い苦味がスッとのどを通ってさっきの香りが残るスッキリした後味。
ミルクと混ぜると、苦味と甘味と香りを同時に楽しむことができる。
味のバランスがよくて、”おいしいコーヒー”を突き詰めたような感じ。今まで飲んだコーヒーで一番おいしい。

あのコピ・ルアクが飲めた! 大満足でLang Cafeを出たのだが、実はLegendeeは本物ではなかったことを後日知ることになる。
よく見るとTrung Nguyen社のサイトにしっかり書いてあったのだが、オリジナルの製法でコピ・ルアクに限りなく近づけた人工的なものということだった。
コピ・ルアク探しは簡単にはいかないようだ。これからも地道に追い続けることにした。

とはいえ、Legendeeはとてもおいしかった。普通のコーヒーより値は張るけれど、お土産にいいなと思う。
もし買うとしたら、ベトナムのコンデンスミルクも忘れないようにしなきゃ。

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帰り道で見かけたダイナミックな金魚屋さん
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町の中心部にあるベトナム戦争のヴィクトリーモニュメント
今日は晩ごはんに”NEM”を食べると決めていたので、目星をつけていたネム屋さんへ。
でも、ネムは今ないとのことだった。今日は残念尽くしだ。しょうがないので、生春巻きと揚げ春巻きを注文。

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ネム感ただようネム屋さん
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生春巻きはなんだかいろいろ来てびっくり
ベトナムに来て初めての生春巻き。
思ったより分解された状態にキョロキョロしていると、店員さんが丁寧に巻き方を教えてくれた。
ライスペーパーに具を一通り乗せて巻いて、タレをつけて食べるとのこと。
タレは温かくて優しい味噌のような感じで、春巻きの邪魔をしない程度にほんのり味をつけてくれる。
中身もパリッとか、シャクッとか、いろんな食感と味が合わさって面白い。しかもヘルシー。

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何個でも食べられますな~
揚げ春巻きは春雨やキクラゲのようなものが入っていて、ザクッと香ばしい皮がビールによく合う。
ネムはなかったけど、いいお店だった。

明日は宿をチェックアウトして、17時にはバスターミナルに行かなきゃいけない。
だけど、まだコーヒーの花の香りを嗅いでいない!
ここまで来て、枯れかけの花を見たくらいでは満足できないのだ。
畑の場所は分からないけど、宿でバイクを借りて出発ギリギリまで探すことにした。

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