2017年2月:10,000VND(ベトナムドン)=約50円。
今日はホイアン近くの街ダナンへ移動する日。
朝から荷物をまとめて3泊お世話になった宿を出た。
部屋はピカピカで、ファミリーはやさしくて、離れがたい宿だった。
いつもの荷物をかついで出発。
かついだばかりだけど、早く降ろしたい。
ホイアン猫のお見送り。
ホイアンはコムガー(ベトナム風チキンライス)も有名ということで、最後の最後にいただきます。
ベトナム風はチキンに塩コショウや玉ねぎ、香草で味付けしてあるところが、シンガポールやタイとはまた違っておいしい。
そして前回バンメトートで食べたものはチキンと野菜を和えていたけど、今回のはおしゃれに添えてあるタイプ。お値段は200円弱。
チキンライスはどの国でどんなタイプを食べてもおいしいのがすごい。
あまった時間はカフェでゆっくり。
ベトナムは本当にカフェが多い。しかもベトナムコーヒーがいちいちおいしい。
チョコレートみたいに濃くて、練乳が体に染みわたるほど甘くて、カフェを見かけると飲みたくなってウズウズしてしまう。
しっかり食べて、糖分を補給して、やってきたバスターミナル。
今日は気合を入れる必要があったのである。
理由はこれから乗り込むバス。ネットで噂の、ぼったくりバス。
ホイアンとダナンはとても近くて、バスだと1時間ほど。
それならとローカルバスに挑戦する旅行者も多く、そんな人たちを標的に料金をぼったくりまくっている悪名高いバスなのだそう。
ぼったくってくるのは、料金回収係の面々。クチコミによると、それは中年男性だったり、少年だったりとまちまち。つまり日常的に当然のように行われているものと思われる。
しかし、ここまでぼったくりと並べまくっておきながらなんだけども…
わりと多くの国で、いろいろな形で「外国人料金」は存在するので、地元の人より高いからといって一概にぼったくりと切って捨てるわけにはいかなかったりする。
金額が交渉で変わるような市場や移動手段(タクシーやトゥクトゥク)は、生活のために必要としている地元の人に安く提供したいというのは分かる。日本にも地元の人は安くなる銭湯があったりするし。
ただ、遺跡や博物館などで、見物できるものやサービス、観光という目的も同じなのに、外国か自国かで金額が違うときは差別されているなあと感じる。正々堂々と料金表に「外国人は○円」と書いてあったら黙って払うけども。
それらをふまえて、私の外国人として、旅行者としてのスタンスはこちら。
・「交渉」の範囲内で、納得できる金額であれば、多少高かろうが払う。
・「詐欺」といえる状態で、何かしらだましたりごまかしたりしているのであれば、払わない。
今回はどっちなんだろう。
そんなことをもやもや考えながらバスターミナルに行くと、ダナン行きのバスがあった。車体には料金表がバーンと貼ってある。
1人16,000ドン。(80円)
写真に撮って、覚悟して乗り込む。
バスが発車してしばらくすると、料金の回収がはじまった。今回の回収係は50代くらいの中年女性。
前の席の方からサクサク回収し、次は私たちの番。
回収係「2人で100,000ドン(500円)だよ」
おお~う。ほんとだナチュラルに盛りますな。正規料金の3倍。
私「料金表には16,000ドンって書いてあったけど、なんで?」
回収係「旧正月料金よ」
バンメトートのバスに引き続き、またそれかあ…。でも、他の人が払ってる金額は見てたんだよなぁ。
私「あの人(地元の人)が払ってたのは16,000ドンだったよ。なんで?」
回収係「…………。あなたたちは荷物が多いから、荷物分の料金が必要よ」
えっ! ここで理由変えてくるのってアリ!?
私「き、旧正月料金は?」
回収係「いいから払って」
もはや理由付けすらめんどくさい。勢いで払わせようという意気込みをムンムンに感じる。
しかし、公共交通機関で正規料金がきちんとあるのに嘘の理由で高い金額を払わせようとしている彼女は、ぼったくり認定!
これは絶対払いたくない。
私「あなたは嘘をついてる。その金額は払わないよ!」
回収係「払って!!」
もうここで降ろされてもいいやという気持ちで、英語もめちゃくちゃになりつつ反論。
そこで、私たちの次に回収される予定だった欧米系カップルが会話に入ってきた。
カップル「あの、正規の料金って? いくらなの?」
私「16,000ドンだよ」
カップル「ええっ! それなら私たちもその金額しか払わない!」
外国人4人に団結されてしまった回収係は、すこし勢いを削がれた。
今だ!と、ピッタリ2人分の32,000ドンを取り出して渡したところ、なんと拒否!
回収係「いらないわよ!!」
いや、受け取ってもらわないのはそれはそれで困る。こちらは正しい金額を払いたいのであって、値切りたいわけでも無賃乗車したいわけでもない。
とにかくお金を彼女にグイグイ押し付けて、どうにか持たせることに成功。
そして彼女は前方に戻り、戦いは終息した。私たちは勝ったのだ。
あとはバスに揺られながら、いっしょに戦ってくれたカップルと話していた。
彼らはダナンからホイアンに来て、またダナンへ帰る途中だったそうで、行きのバスでは言われるがままに高い金額を払ったのだとか。
ダナンの宿の近くまで来たので、私たちはそこで降りてお別れした。
ダナン猫のお出迎え。
宿へ向かう途中にあったお店で腹ごしらえ。
コムガーのコムは飯、ガーは鶏だから、ここには飯があるはずとか言いながら入店。
おかずを選べる定食屋さんだったので、見た目でなんとなく茹で豚、焼き豚、葉野菜をいただく。スープも付いて100円くらい。
まんぷくになって、ようやくホッとひといき。
戦うのは体力を使うし、少なからず嫌な気持ちになったりさせたりするので、できれば避けたい。
でも、やらねばならぬときはある。
ローカルバスは地元の人にとって大切な交通手段だから、旅行者はぼったくられても文句は言うなという意見もあるけど、ぼったくられること自体にはしっかり文句を言うことで、制度が整っていけばいいなと思う。
市民カードがあれば安くするとか、料金表に外国人料金を載せるとか、いっそ交渉制にするとか。
結果的に「外国人は高い金額で」となるにしても、フェアな状態で気持ちよくお金を払いたい。
そんなことを思いながら、へとへとになった移動日だった。
毎度毎度、おもしろき❣️
久々で楽しい❗️